2021年3月11日木曜日

選手が伸びない理由2(人間関係の盲点)

 選手が伸びない理由その1は前回お話ししましたが、良いコーチが長く滞在しない理由について書かせていただきました。(実話です)

一方で何故、そのスクールの本来の実力がなくなっているにもかかわらずお客様が減らないのかについても書かせていただきました。

 ※ここでいうところの良いコーチとは選手としても結果を出していて指導者としても実績を出していることを前提とします。

 ※選手として結果を出していても指導者としては結果を出していない、またはその逆です。

結果は関東大会、全国大会、国体を基準とします。

 

 

 

□アカデミー(スクール)側とお客様側だけではない

在籍するとそのスクールを一色単に見てしまいがちです、しかし雇用者側同士でも「対立」が生まれることもあります。

それは、結果に対して充分な「対価」を支払われていないこと、売上の行き先が不明瞭な点が問題となります。

例えば、社員さんとして働いた場合、通常業務+αでプライベートレッスンやガット張りがあるとします、これも含まれて「対価」が支払われることがあります。

 

1万円のプライベートレッスン費用をスクール側に指名付きで支払うとします。

しかし、当事者には支払いがない、1000円程度、数百円といったケースが存在します。

 

勿論、お金以上に「信念」のために働いているので初めは我慢できますが次第にやるせない思いが募ります。月に20人プライベートでレッスンすると20万・・・

しかし、手元に数千円・・・となるとどうでしょうか?

 

経営者側としてはコート代やボール代などの「施設使用料」を貰う義務がありますが、実際は売上の30%50%を報酬として享受する義務があると思います。

少なくとも社員さんでも20%はインセンティブをもらうべきです。

 

こういう最低限の「報酬」を受けることができず、体を酷使してやるせない思いに虚無感を覚えて他に転職してしまったりするのです。

 

モチベーションが下がるばかりでなく、生徒さんを上手くしたい、強くしたい、という気持ちと経営者側へのもう少ししっかりと「評価」が欲しいという板挟みは体の酷使以上に辛くなってしまいます。

 

□では、なぜ有名スクールからお客様が離れないのか

結局のところ、お客様は「スクール名」で満足する傾向があるのと、固定の箱がないため「安定」を求めることから(かつては)名の通ったスクールやアカデミーの名前で満足してしまい落ち着いてしまいます。

現に経営者が「もう育成には力を入れない」と裏で語りながら継続している場所も少なくありません。

何となく名の通ったところに行っている方が安心感を得ることができます。

しかし、実際は全盛期の半分のモチベーションも結果さえでない器になっています。

 

               □ありがちなミス

まずは子供の目線になることだと思います。

「相性」が大切と思われることが多いですが子供に全てを任せてしまうと精神的に未成熟な子にとっては判断が難しくなってきます。

ここで気を付けたいことは親御さんの思い込み・・・

 

よくあるのが「環境」です。

 

・強い子とテニスをさせたら勝てるようになるのではないのか?

・ジュニア時代有名だったコーチに教われば強くなるのではないのか?

・自分より少し上のレベルの子と練習させれば強くなるのではないのか?

 

これ全部間違いです・・・

勿論、「結果」がでたり「成功」されている人はそのままで良いと思います。

しかし、何年たっても兆しが見えない選手は「別の問題」があります。

 

 

           □なにを信じるべきなのか

これはコーチの人間性や歩んできた「人生観」が決め手となります。

選手として可能性があって「挫折した」人と「やりきった」人とでは結果以上に「大きな差」が出てくることになるでしょう。

スクール側とスタッフの関係性、そのコーチの歩んできた道が伸びていく選手の決め手となってきます。

テニス以外の「何か光るもの」を感じることができれば兆しありなのだと私は思います。


(下記はYOUTUBE生放送での企画です、中盤以降テニスコーチのブラック・ホワイトについてお話しております。今回はコメント多く、貴重なご意見も頂きました、ありがとうございました)


テニス裏話・・・今夜だけ「本音」で語ります、何でも答えます?



2021年3月3日水曜日

選手(子供)が伸びない理由(外部ソフトウェアの盲点)

 選手が伸びない理由(外部ソフトウェアの盲点)

 

ある時からなかなか戦績が出なかったり、まったくそのレベルから勝てなくなったり、素人目から見ても全く上達しない場合があります。

今回は実体験から下記の理由を考えてみました。

 

□伸びない3つの理由

 

    経年劣化

例えば選手育成で有名なアカデミーがあったとします。

立ち上げ当時は優秀なスタッフをそろえますが噂になってきたころにはそのスタッフが他に引き抜かれたり、条件が合わなくなって辞めたりする場合がしばしあります。

責任者が「育成には力を入れない」と決める場合も多く、現場はコーチの熱意と今までの「名声」で運営していることが多くあります。同業者はこの衰退を理解していますがどうしても 名前や過去の名声で客集めをすることが多く、一見うまく回っているように見えるのですが、実のないプラセボ―効果となってしまいます。

 

    親と子供の温度差

塾などでもお同様のことが言えると思いますが親が良いと思って子供に押しつける場合があります。子どもは判断基準を持ち合わせていません。

従って親に強く言い寄られたり、「どうする?」と聞かれると首を縦に振るしかありません。

子供には明確な基準がないため良し悪しが理解できません。

親の取りがちな行動としては「厳しくしてくれるところ」や「コーチの会話が長けているところ」に子供を入会させてしまう傾向にあります。

親のご機嫌取りが上手いのと、指導力が高いことは全く異なります。

ここを履き違えてしまうことが多く、大切な選手の前途は断たれてしまうことがしばしあります。

 

    有名選手との関わり方はどうなのか?

この点が一番気にかけるべき点だと私は強く感じます。

人気のある塾やテニススクールで1番の子がハードウエア(通っている媒体)とどのように付き合っているかをしっかりとスポンサーである親御さんが理解すべきだと思います。

塾で良くある手法は○○大学合格、○○高校合格と1番の子にいくつも受けさせて合格者数や偏差値の高い学校の数を稼ぎます。表面的にはとても優秀な塾に思えます。

テニスに関しても優秀な人材は親子の「二人三脚」であることが多くあります。

スクール側が努力をしていると言うよりも親がステージパパやママになって育てていることが殆どです。試合の送迎などは中学生あたりまでは必要かもしれませんが、指導方法やコーチ選びに親がメインになっていることが多いです。

 

□それでは指導者に求められることは何なのか?

指導者に求められることは、「世界観」と「熱意」です。

世界観とはどれだけ広くテニスの世界を知っているか、海外テニスに対する興味は勿論、色々な選手の栄枯盛衰や取り組み方法を理解している必要があります。

つまり、「テニスを通じての人生観」です。

広い視野でテニス観がなければ選手が壁にぶつかった時、大切な選択を迫られた時に助言ができません。そして「情熱」がなければさらに上に進むことができなくなってしまうでしょう。たとえ有名選手だったとしても「挫折」と「諦め」で第一線を退いてしまったのであれば、その子が超えるべき、ある一定のレベルから抜け出せなくなってしまいます。

同業者ではこれらの「良し悪し」は噂として裏で流れてきます。

 

そして考え方は様々ですが、必ず1つの「方向性」が事実として確定要素となります。

 

「指導力はないが口が上手い」「それ以上は上に行けないが、集め方が上手い」「客集めだけは上手い」「あ~、あそこに移籍してしまったんだ・・・」「あのコーチ指導力高いのに職人気質だから生徒がいなくなる・・・」本質を見極めることはじつに難しいと思います。

 

 選手が伸びないのは能力や才能以前に「本人に問題がある」か「指導力に問題がある」、「親の考え方に問題がある」のいずれかです。


子供の可能性を潰さないために見極める保護者側として大切なのは「大人のエゴをなくした素直な眼」で考えることです。

勝てない子が勝つためにすべきこと

※宜しければ併せてご参考ください。